油田新聞_2016.08.30
息子の宿題
「ママ、江戸時代にも、油田がやろうとしていることがあったんだね」
「何のこと?」
「循環型社会だよ。江戸はスーパー循環型社会だったんだよ。」
どうやら、最後まで苦労していた自由研究の話らしい
「どれどれレポート見せてごらん」
私も興味が湧いて少し調べてみた…
江戸時代は、自然エネルギーを巧みに利用しながら、見事な循環型社会を確立した
環境先進都市だった。
江戸時代は、貿易がなかった為、食料も生活用品も、エネルギーも国内生産だった。
人々は太陽エネルギーをフル活用して、大きな時間と労力をかけて、植物を育て
衣類始め生活道具を作った。人々は物を徹底的に大事にし、修理をして使った。
いよいよ使えなくなったものは、燃料にして燃やしたが、その「灰」さえも
肥料や染物、酒造りに欠かせない材料となった。「灰買い」「紙くず拾い」
ロウソクたてにこびりついた「ロウ買い」があったように、現代ではゴミも当時は
貴重な資源だった。 壊れたものは修理をしてくれる職人がたくさんいた。
正に、ゴミにしない社会がそこにあった。
食べ物の循環も成立していた。排泄物の処理は農民が買い取り、肥料として利用していた為、
排泄問題は殆どおきなかったようだ。同時代のパリは、下水道があったが、セーヌ川に垂れ流しの
状態で、悪臭たるやひどかったらしい。
「江戸は究極のエコシティー」
息子のレポートは、こんな締めくくりだった。
息子のレポートの出来不出来はさておき、私は言葉をかけた。
「江戸時代の環境型社会から、油田の取り組みを繋いだことは素晴らしい!」
環境問題を生活に根ざした事として、身近に考えていけるようになって欲しいという願いを込めて、
親バカな私は、息子を誉めたのであった。 受験勉強が、はかどっているかどうかの質問はぐっと
飲み込んで…
( K. I. )