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油田新聞_2016.01.21

効率、利便性は誰のためなのか

インターネットの登場とIT技術の進歩により、大変便利な時代になりました。

銀行業務やチケットの予約、買い物、お仕事まで自宅で用事を済ますことができるように

なりました。

今やスマートフォンさえあれば、いつでもどこでも用事を簡単に済ますことができます。

さらに翻訳ツールや海外ロジスティクスのシステムの進化により購入者が 日本にいながら

海外サイトの物を簡単に買うことができるようになりました。

数年前に「Buyma」や「ebay」というサイトも登場し、海外のブランド品 も手軽に入手

できるようになりました。代金の決済は「Paypal」の登場により簡単にさらに安全に送金と

決済が出来るようになりました。

さて、新しいシステムや機械等が登場する度、効率が上がり、便宜性も上がりました。

そのおかげで人々の働き方やライフスタイルまで大きく変化をしました。

確かに生活の水準と質は上がりましたが、一方で決して豊かになったとは言えません。

物の管理をしやくするためアメリカからバーコードが開発され、在庫管理や物流が飛躍的に

進化を遂げました。ところが、アイロニカルにバーコードの登場により、従来の在庫管理や

物流は単純作業に転落してしまいました。

それにより、例えば従来10人必要だった作業が3人で出来るようになり大勢の人が職を

失いました。

また、大規模な工事で物を大量生産することよって生産性や効率が上がり、人々は従来より

安く物を手に入れることになりました。ですが、これもまた効率が上がったことによって

職が減り、安い物が世の中に出回ることで激しい価格競争が生まれました。当然、競争に

勝つためには、いかに低コストで高品質のものを作るかによります。ここで登場するのが、

人件費削減のために生産ラインの自動化です。また、人件費が安い外国に生産拠点を

置くことです。そこで極端に働き口 がなくなりました。また、価格競争に負けた企業は

倒産に追い込まれました。

効率が上がることで一番恩恵を受けた者は一部の人々だけ…。いわゆる上流層の人達です。

庶民とは全く無縁としか言いようがありません。

このままでは世界の人々の生活がますます貧しくなるばかりではないかという意見や、

テロリズムを生み出した今の経済のせいだと言う意見が続出しています。中には世界の

経済をリセットする必要があるという意見や消費をやめようという極端な意見まで出ています。

私は経済に対して無知同然ですが、今のシステムではいい方向に向いているとは思いません。

かつてソ連が崩壊した時、アメリカは資本主義が勝ったと喜んでいたようですが、今の現状を

見てそれを言えるかが疑問です。

( A. F. )

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