油田新聞_2016.10.12
オーケストラ
先日、N響のコンサートを聴きに行く機会を得た。 生のフルオーケストラの演奏は、初めての経験だった。
演目に触れるのは止めにして、心の印象だけを書こうと思う。
弦楽器、管楽器、打楽器のパートがそれぞれ織りなす音は
まるで波のようだった。
寄せては返すさざ波が、やがておおきな波になって押し寄せてくる。
弦から管、管から打楽器に音がリレーして行くのだ。
時にリズミカルに音が飛び散って、遊びだす。
放り出されたメロディーは、いつの間にか一つになる。
溢れ出した音がまとまって主題が現れる。
オーケストラならではの華やかで壮大なスケールだと思った。
ふと、自分自身を投影する。
私自身は、
自分という楽器の特徴を捉えて、私しか得られない音を奏でているのだろうか?
自分以外の人の魅力に気がついて、その人にしか出せない音を聴いているんだろうか?
重なり合うリズム、響き合う音を聞きながら
人と人のつながりを思い浮かべていた。
オーケストラの様に、異なる個性を響かせる事が出来たら
どんなに素晴らしい事だろうと思った。
( K. I. )