油田新聞_2016.11.15
手当て
中学3年生になる次男が、40度近くの高熱を出した。
しかも5日間。
1~2日は、薬飲んで、あったかくして寝て
ひと汗かいたら治るだろう。
真っ赤な顔した子供は、意外と元気な感じだった。
私は、飲み物とお昼ご飯を置いて仕事に出た。
こんな日が続いて、さすがに4日目に焦りだした。
医者に行ったが、マイコプラズマ肺炎でも、インフルエンザでも無かった。
こんなに高熱が続いては、頭がおかしくなっちゃうんじゃないかと本気で考えた。
受験の今時期に学校も休みが続いている。
いい加減なんとかしなくっちゃ。
タオルを切り、保冷剤を包む。
同じ物を6個作り
両耳の下、脇、足の付け根に当てがう。
高熱なので、30分すると溶け始める。
溶けたら取り替えるを繰り返すこと一晩。
ついに平熱に落ちてきた。
お母さんの手は凄い。
保冷剤を取り替える度に、おでこに手を当て、言葉をかける。
本当は薬が効いてきたのだろう。
でも、心のこもった手当てが一番の処方箋に違いない。
風邪を引いたのは、気が緩んでいるせいだと
息子を責めたことを反省した。
子供が小さかった時は、こうやってよく看病したものだ。
息子のおかげで、
育児に一生懸命だった頃を懐かしく思い出した。
手当てしたのは、私自身の心なのかもしれない。
( K. I. )